第21回三汀賞 入選句集より その2
2021年 08月 11日
選者別入選作品より抜粋
こんな時期なのでと棚経ちと端折り
小池 博美
のうぜんのかくも散りてもなほ盛り
片桐 啓之
盆用意マッチを買ひに行くことも
佐藤 和男
ひとりづつ誉めて渡しぬお年玉
古川 和子
きゅうにんのいとこですいかたねとばし
坂井 綾萌
切りすぎた髪さわりながらアイス食べ
伊東 栞菜
あみの中動くトンボにふれられず
森 貫太
春立つや会津もめんの野良着裁つ
湯田 一秋
雲海や大河一本懐に
前田 信夫
撫子やそよぎてをれば摘みあぐね
木幡 忠文
外寝など夢のようだと猫の顔
吉原 明
炎天下慣れぬ団長声震え
若林 颯人
はかまいりマスクすがたに分かるかな
長尾 幸樹
千年の銀杏散り初む村境
湯田 畊道
クラス替えまだ見ぬ素顔白マスク
泉 凪沙
声の無き校舎に伸びて待つヘチマ
小菅 朗久
山二つ置きて夕日の稲架を組む
竹ヶ鼻 立子
安達太良は鉄の匂ひや赤とんぼ
神野 幸一
うぐいすの声が聞こえる祖母の家
大竹 陽日季
水鉄砲逃げる妹待ち伏せる
松本 直樹
海棠に珈琲の香や三汀忌
猪狩 凰保
来ぬ孫を待つこいのぼり山の上
石川 慶子
ハチ入り一気ににぎやか授業中
花田 春香
木のアーチくぐればせみの歌う声
小林 あい
by kanitachibana
| 2021-08-11 16:22
| 俳句
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