短歌人3月号 会員2
2011年 02月 28日
画面よりながれきたるは春の海ピアノ三味線ふるさとは雪
中田公子
時のない介護ベッドに横たはる夫の理髪も済みしつごもり
小松志津子
白酒の椀より出でし福神のつかの間を舞う白妙の鶴
鳥塚 力
雀来てやがて遠のく冬の日の夕暮れ時を雨戸閉め居り
石塚 實
本を読む前の座席の女子校生ミズシマ ヒロとくちが動いた
松村 威
若き日の母のやうにと割烹着さまになりたる年頃となり
直井美代子
わが姿見ても跳ばざる蝗あり冬の園にて老いを噛みしむ
柿沼良訓
by kanitachibana | 2011-02-28 21:44 | 短歌 | Trackback | Comments(0)