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短歌人1月号 会員2   

 久々にじっくりと読んでみた。
 いい作品がいっぱいである。若干のブランクが悔やまれるほどであった。
 技術の巧拙は私には分からないが、心を打つ歌にたくさん巡り会えた。



 晩秋にひとりは淋しい石ころをふたつ拾いてポケットに仕舞う 
                                 堀口澄子


 いくつかの音のずれてる赤とんぼ連れて月曜日ごみ収集車くる
                                   田平子


 まっ白きシーツを干したる幸せを恵みたまえる今日の青空
 ふりむくな前みてゆけと説かるれど夢の続きを私は見たい
 
                              北岡礼子


 集中治療室(ICU)にわれをよぶ声きつね火の不意に消えさり麻酔より覚む
 ほこほこの新じやがの白き湯気が覆う卓の向ふに母のほほゑみ
 風神の先走りたる赤岳の摘み残したる柏の枯葉
 赤々と枯れ残るもの戦ぎをり行方しらずの母熊小熊
 金輪際鳴かぬやまがら アカシアの風と遊びて囀りし日よ
 雌ばかりの小振りのししやも量らせていつもより友は饒舌になる
 
                                  佐藤綾子


 君の乗る電車を坂より見送れど東京湾はいまだに昏れず 
                             平嶋由利子


 拾い上げしぼみ朝顔ふくらます少女は施設に永くいるらし 
                               会川 和

by kanitachibana | 2013-01-19 16:17 | 短歌 | Trackback | Comments(2)

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Commented by 会川  和 at 2013-02-02 00:04 x
ご紹介いただき、ありがとうございます。気持の共有ができる事はとても励みになります。
Commented by kanitachibana at 2013-02-02 19:28
ありがとうございます。
ストーリーのある一連の作品で、いずれも心を打つものばかりでした。

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