無援の抒情 (道浦母都子)
2014年 02月 02日
無援の抒情 (道浦母都子)より
許されし二枚の毛布にくるまりて眠れど房の冷え果てしなき
父母が会われぬままに帰りぬと知りてしばしを救われていつ
ほの暗き房より出でて見る世界輝くまでに街照りていつ
釈放されて帰りしわれの頬を打つ父よあなたこそ起たねばならぬ
振るわるる楯より深くわれを打つ父の怒りのこぶしに耐うる
by kanitachibana | 2014-02-02 18:44 | 短歌 | Trackback(6) | Comments(0)