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10月13日 讀賣新聞   


<読売歌壇>
考へる恐竜がゐて長き首地に垂れしまま化石となりぬ
                     和歌山市 野入博史

福島の友の稲田は稔りしか実をつけし草引きつつ思う
                      所沢市 鈴木照興

激動の昭和を生きて傘寿越ゆ開きし五町歩荒れてのこりぬ
                         福島県 黒沢正行
 何もない山野を一鍬一鍬切り開いて家族を養ってきた。こういう時代となって今や継ぐ者はなし。また継げとも言えない。

抜け殻の蟬を網戸にとまらせて児らは帰りぬビルの谷間に
                         丸亀市 市橋康子

幼な娘(こ)を肩車せし昔ありき夕映えの獄に聴く遠花火
                       仙台市 長岡義宏

ふるさとの五右衛門風呂の焚き口に豆殻はぜる音なつかしき
                           東京都 影山 博

まむかいの傾きて立つ電柱を見ながらひとりの朝食済ます
                         東京都 遠藤正雄

イヤホンでラジオ聴きつつ芋を煮る妻がときどきにやりとわらふ
                            仙台市 岩間啓二

タッチして帰るひい孫又タッチもどってタッチ玄関あけとく
                      相模原市 持田さつき
 なんとも楽しい風景である。最後の着地がまた絶妙。

乳飲み子はなにもしてないじっちゃんと目が合うだけでけたけた笑う
                              東京都 高橋よしえ
 じっちゃんと赤ちゃんは生まれる前からの知り合いだったのかもしれません。「ようやく会えたね」と赤ちゃんは喜んでいるんでしょうか。生命はずっとつながっているんですね。

スナックに母の名、ジャズ喫茶には義母の名があるこの街が好き
                             狭山市 新井教子

by kanitachibana | 2014-10-13 16:43 | 短歌 | Trackback | Comments(0)

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