12月20日 讀賣新聞 よみうり文芸
2014年 12月 20日
林道に入りゆきて知るいたどりの霜降月のくれなゐの色
旭区 新谷垣内秀規
<俳句>
防人の越えし峠や木の実降る
相模原市中央区 三十尾維大
かつて東国から遠く九州の地まで、多くの若者が国の警護に駆りだされたことであろう。なんとも言えぬ哀感がただよう。
浦風の戸毎に風船葛かな
大井町 新井たか志
海の風が風の船(風船)を揺らしているんでしょうね。
漁もして三浦大根作りけり
横須賀市 岸元まつ子
いたって明快。ストレートに響いてきます。
小さきは風に倒れて箒草(ほうきぐさ)
茅ヶ崎市 合田啓三
最近は鑑賞用にも売られているようですが、実際箒として形になっているものは、ほとんど目にしなくなりました。
物納の稲田最後の稲を刈る
戸塚区 鮫ケ井正勝
田を借りて米を作っている場合、賃料として地主に現物(米)を納める方法も多いようです。どちらの都合かはわかりませんが、もう米を作れなくなるというのは寂しいものです。
<川柳>
踏ん張ると足の三里に宿る神
相模原市中央区 飯田サイコ
足の三里はツボでもあり、きっと神様がおわします。同じカミでも、奴さんがここ三里に貼るカミは三里紙と呼ばれているのは面白いことです。
転居した町の酸素に味がない
瀬谷区 北井太刀子
水清ければ魚棲まず、と言いますが、やはり場所が変わって初めて気づく空気もあるんでしょうね。さらに「酸素」と突き詰めたところが妙。
by kanitachibana | 2014-12-20 21:55 | 俳句 | Trackback(292) | Comments(0)



































































































































































































































































































