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6月7日 神奈川新聞   

<神奈川歌壇>
片頬の笑い横目で見て黙る長い月日の夫婦の償い
                    戸塚区 佐宗左知子

 問わず語りの言葉かどうか定かでない時、どう反応したらよいのか困る時もある。黙って聞き流すのも一つの会話であろう。長く、そしてこれからも続けていきたい二人の暮らしだからこそ、言葉に出せないものを皆抱えているに違いない。

<神奈川俳壇>
遠雷や父より老いて父を恋ふ
       茅ヶ崎 清水呑舟

 気が付けば、とうに父の齢を超えている。時が経てば、ますます父が近づいてくるものだ。

樟若葉社一つの見え隠れ
      三浦 吉原博義

 春の風に若葉が揺らいでいる。動くものが動かぬものを際立たせてくれている。

この里の日のしたたりに花みかん
           三浦 秦 孝浩

 みかんは日当たりの良い温暖な地が適している。おだやかな里に違いない。

万緑や苔を袴に五輪塔
   伊勢原 前田明水
 新興地には仏塔の類は存在しない。昔ながらの信仰の地なのであろう。

<神奈川柳壇>
明暗を分ける人事の無表情
      金沢区 金澤 昭
 人事も決めるまでにはさまざまな苦悩があるだろう。でも発表の段階ではもう結果。全身空っぽにして周りの声、表情をやり過ごすしかない。

伊勢エビの髭に値が付く魚市場
         中原区 尾木京子

 伊勢海老の象徴であるあの長い髭。ある種のブランド力であろう。

by kanitachibana | 2015-06-13 16:01 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

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