6月7日 神奈川新聞
2015年 06月 13日
片頬の笑い横目で見て黙る長い月日の夫婦の償い
戸塚区 佐宗左知子
問わず語りの言葉かどうか定かでない時、どう反応したらよいのか困る時もある。黙って聞き流すのも一つの会話であろう。長く、そしてこれからも続けていきたい二人の暮らしだからこそ、言葉に出せないものを皆抱えているに違いない。
<神奈川俳壇>
遠雷や父より老いて父を恋ふ
茅ヶ崎 清水呑舟
気が付けば、とうに父の齢を超えている。時が経てば、ますます父が近づいてくるものだ。
樟若葉社一つの見え隠れ
三浦 吉原博義
春の風に若葉が揺らいでいる。動くものが動かぬものを際立たせてくれている。
この里の日のしたたりに花みかん
三浦 秦 孝浩
みかんは日当たりの良い温暖な地が適している。おだやかな里に違いない。
万緑や苔を袴に五輪塔
伊勢原 前田明水
新興地には仏塔の類は存在しない。昔ながらの信仰の地なのであろう。
<神奈川柳壇>
明暗を分ける人事の無表情
金沢区 金澤 昭
人事も決めるまでにはさまざまな苦悩があるだろう。でも発表の段階ではもう結果。全身空っぽにして周りの声、表情をやり過ごすしかない。
伊勢エビの髭に値が付く魚市場
中原区 尾木京子
伊勢海老の象徴であるあの長い髭。ある種のブランド力であろう。
by kanitachibana | 2015-06-13 16:01 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

