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6月14日神奈川新聞   

<神奈川歌壇>
おもむろに座問答執り行なはれ神揃山(かみそろいやま)は葉桜となる
                              大磯町 大久保 武

待つといふ楽しみこそが若さなれ老ゆれば待たぬもののみが来る
                              横須賀 丹羽利一

水中へ白手袋の腕入りて傷負ふ海豚の頭(づ)をなではじむ
                            平塚 荒木禮子 

どくだみと発すればなほ怖き花稲荷のほこら在りし辺りに
                          平塚 升水昭夫

<神奈川俳壇>
薫風や替へて病衣の小花柄
      横須賀 鏡渕和代

 入院も長いのであろう。それでも季節は忘れたくない。いい家族に恵まれているに違いない。

リハビリに通う坂道やいとばな
      横浜南区 千葉幸江

 これから暑くなるとますます坂道もきつくなるだろう。やいとばなが情景によく合っている。

たきりの姉の待ちゐし更衣
        厚木 田中啓介
 これもまた家族の愛情がしみじみと伝わってくる。

漬茄子の紺透き通る切子鉢
       磯子区 羽原ナカ

 切子と紺はよく似合う色である。涼しさも感じさせてくれる。

大仏の螺髪撫で肩花は葉に
      金沢区 下田克洋

 リズムがあり心地よい。「花は葉に」の着地もよい。

緑陰に半身隠して磨崖仏
      栄区 津田 壽
 作者の立ち位置とあたたかい眼差しまなざしが感じられる。

父の日の父のゐさうな古書肆かな
          茅ヶ崎 清水呑舟

 書肆は「しょし」と読み、本屋のことらしい。子もまた父に似て書物が好きなのだろう。

by kanitachibana | 2015-06-17 21:14 | 俳句 | Trackback(1) | Comments(0)

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