6月14日神奈川新聞
2015年 06月 17日
おもむろに座問答執り行なはれ神揃山(かみそろいやま)は葉桜となる
大磯町 大久保 武
待つといふ楽しみこそが若さなれ老ゆれば待たぬもののみが来る
横須賀 丹羽利一
水中へ白手袋の腕入りて傷負ふ海豚の頭(づ)をなではじむ
平塚 荒木禮子
どくだみと発すればなほ怖き花稲荷のほこら在りし辺りに
平塚 升水昭夫
<神奈川俳壇>
薫風や替へて病衣の小花柄
横須賀 鏡渕和代
入院も長いのであろう。それでも季節は忘れたくない。いい家族に恵まれているに違いない。
リハビリに通う坂道やいとばな
横浜南区 千葉幸江
これから暑くなるとますます坂道もきつくなるだろう。やいとばなが情景によく合っている。
寝たきりの姉の待ちゐし更衣
厚木 田中啓介
これもまた家族の愛情がしみじみと伝わってくる。
漬茄子の紺透き通る切子鉢
磯子区 羽原ナカ
切子と紺はよく似合う色である。涼しさも感じさせてくれる。
大仏の螺髪撫で肩花は葉に
金沢区 下田克洋
リズムがあり心地よい。「花は葉に」の着地もよい。
緑陰に半身隠して磨崖仏
栄区 津田 壽
作者の立ち位置とあたたかい眼差しまなざしが感じられる。
父の日の父のゐさうな古書肆かな
茅ヶ崎 清水呑舟
書肆は「しょし」と読み、本屋のことらしい。子もまた父に似て書物が好きなのだろう。
by kanitachibana | 2015-06-17 21:14 | 俳句 | Trackback(1) | Comments(0)

