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6月21日 神奈川新聞   


<神奈川俳壇>

電灯の笠の優曇華母の声
       厚木 田中啓介
 こんなところにも、と思うところにクサカゲロウは卵を産む。吉兆とも凶兆とも言われる。そう、意図しない時ふいに母の声が聞こえてくるものであろう。

味噌蔵の太梁乾く旱梅雨
    小田原 藤田顕英

 味噌蔵は黴の生育にも適するような暗い静かな場所にあるものだろう。梁もむき出しで時間を感じさせる。考えてみると、我々はつくづく自然の恵みに生かされていることが分かってくる。

一村の甦りたる植田かな
     厚木 平野浩二

 一村の━とかあると、ああまた来たかという感であるが、うまくはまると思わず膝を打ってしまう。地名に田の付く所は多いが、青田あってこその地名である。
 

昏れてなほ野毛坂明し山法師
         西区 原田郁夫

 暮れかかる山坂を僧兵の一団が上っているのだろう。雰囲気がよく出ている。

by kanitachibana | 2015-06-27 10:36 | 俳句 | Trackback(28) | Comments(0)

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