第５８回全国俳句山寺大会事前投句集（その１）

第５８回全国俳句山寺大会事前投句集
入選句より抜粋

月山の水ごうごうと朴の花
　　　　　　山形市　堤　久子

枇杷すすり一人は紅をさし直す
　　　　　山形市　宇井　千恵子

閉校の式に昨日の卒業子
　　　　　大阪府　今井文雄

蟬が鳴くまへの静けさかと思ふ
　　　　　　　　河北町　森谷一芳

一瀑のごとく万朶の桜かな
　　　　　山形市　阿部拙郎

歩きつづける花ふぶき花ふぶき
　　　　山形市　大井田　千代子

郭公や光をかへす父の鍬
　　　　　宮城県　齋藤伸光

一山を以つて寺域や夏の霧
　　　　岩手県　佐々木　青矢

幼な児は指より眠るゆすら梅
　　　　　　南陽市　鈴木あきを

背の子の眠りて落とす風車
　　　　　　山形市　折原廣子

雪形や鍬の楔を締め直す
　　　　　上山市　石井浩吉

終刊の句誌の歳月春惜しむ
　　　　　山形市　井上多桂子

春子売る落人の裔礼深し
　　　　酒田市　富樫國雄

溝浚ふ奉仕土着の人ばかり
　　　　　秋田県　種村聖巴子

清流も岩も神とし山田植う
　　　　　茨城県　藤井忠重

鮎釣りの影の踏んばる早瀬かな
　　　　　　　東根市　阿部美和子

草むしる母へまつ直ぐ通知表
　　　　　　　兵庫県　寅屋照夫