10月24日讀賣新聞 よみうり文芸
2015年 10月 24日
湧き水の澄みきってをり用水路
茅ヶ崎市 合田 啓三
用水路はけっこう水量も多く、流れも速い。大きな魚もいたりする。時折蛙などが飛び込むのか、大きな音にびっくりすることがある。収穫も済んだ頃の、ほっとした秋の一日か。
隠元の支柱のあたりラジオ鳴る
大磯町 大久保 武
ラジオを聞きながら仕事をしている人がいるのだろう。隠元とラジオの取り合せが面白い。
<川柳>
秋の蚊と乳房の業を生き延びる
海老名市 やまぐち珠美
チクリかクスリが川柳だと思っていたが、どうも別の流れがあるようである。対象を自分に向けている。着地もまた委ねられた感があり、試されているのかとさえも思ってしまう。
老いていく私と暫(しば)し話し込む
旭区 二宮 茂男
おいおい、どうしちゃったんだよ、、、こんなこともできなくなっちゃったのかよ、、、。さびしい会話である。
老犬に聞かせる星になる童話
港北区 山本喜太郎
かつては子どもを膝にのせて聞かせた童話であろう。作者と愛犬の静かなひと時である。
つまずいて六方を踏む芝居好き
鶴見区 渡辺 義憲
つまずいた方も、見ている方もお互いに芝居好きなんですね。つい掛け声などかけてしまいそうです。
by kanitachibana | 2015-10-24 22:43 | 俳句 | Trackback(140) | Comments(0)