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点滅する句   

 名のある大会等で俳句を募集すると、優に万を超す応募があるそうだ。
 その中から選ばれるほんの数句というものは、当然優秀なものであるには違いない。
 だが、単に優秀というだけでは言い尽くせないものがあるのも事実であろう。

 その応募句数から考えても、当然一句あたりに目を注がれる時間は数秒、いや1秒未満かもしれない。「う~ん、、、」などと腕組みをして考えていれば、いっこうに選句は進まないはずだ。
 おそらくは瞬時にパッと抜き出しているんではないだろうか。そしてそれも、視覚的というか感覚的に。もちろんその1次選考を通過したあとの、じっくりとした鑑賞はあるだろうが。

 それじゃあ、たまたまの「運」かというと、そうとも言い切れない。たまたまの単純な確率で考えれば、毎回連続して選ばれることなど、まずは考えられない。
 でも、でも実際同じ作者の名前が載ることはままあることだ。

 考えるにこれは、作者と選者が同じ種の「蛍」ではないかと思われる。
 暗闇に光る蛍は、その発光間隔で仲間にその存在を知らせている。同じ光でもその発光間隔が異なれば、異種の蛍は何の興味も示さないし近寄っても来ない。逆に、似てるが故の忌避感さえ抱いているかもしれない。

 自由に光るか、発光間隔を加減しながらも相手と同種たらんとするか。なやましいところである。

 もっとも蛍はその種の存続をかけた必死の光だが、俳句は俳諧であり、ちょっと相手の反応を楽しむような余裕も必要だろう。



by kanitachibana | 2018-09-02 12:25 | 俳句 | Trackback(2) | Comments(0)

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