歌集「水庭」 著者 三島麻亜子より
目覚むればこの世の果てより曳ききたる光はよわく落花にのこる
サイレントモードに呼ばれ立つときの雨のつづきのやうな水庭
置き去りにしてきたものの大きさに空は展けり子の家を出づ
たたずまひ閑けき梯(てい)は手付かずの夢の在り処か雲被きをり
ちぎれつつ秋雲消ゆる空のした返報のごと君を訪ふ旅
茄子紺をほこる古布展まだなにか始められるとしたら片恋
雨の日曜日。午前中は犬のシャンプー。さんざん嫌がられたが、なだめたりすかしたりしながらようやく小一時間ほどかけシャンプーを終える。だがドライヤーは、その音が気になるのか激しく逃げ回る。しかも、その濡れた体でブルブルッとやるものだから、逃げ込んだ部屋などはもうびしょびしょである。
午後は歌集「水庭」を読む。もう5,6年前に出版されたものだが、大変面白い。旧かなと難しい言葉もあるが、その都度調べながら丁寧に読んでいくと、深い世界に入っていくようだ。
何よりも類想感がなく、上の句から下の句への距離感も心地よい。解釈をポーンと読み手に投げ出しているクールさがある。