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城もみぢ   

城もみぢ空井戸に声捨てて来し
          角川照子

 紅葉の色の鮮やかさと暗い空井戸の深さ。ただただ井戸に落とした声だけがさびしく聞こえてくる。井戸は城にとっては生命線のようなものだ。特に籠城の際などは、毒物等を入れられないように厳重な見張りも付いたであろう。
 紅葉の鮮やかさと空井戸の対比が栄華とその終わりを感じさせ、なんとも寂しい情感がわいてくる。




by kanitachibana | 2020-10-18 16:14 | 俳句 | Trackback(6) | Comments(0)

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