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キリギリス   

 キリギリスは季語として使う場合、夏なのか秋なのか、はなはだ微妙である。
 多くは夏に分類されているが、秋として扱われているケースもある。さらには、夏の虫だが秋の季語、、、と釈然としない説明がなされているものもある。
 これは、かつてキリギリスという呼称がコオロギを意味していたことにも遠因があるのかもしれない。そして、そのキリギリスという呼称が完全にコオロギに取って代わられていれば何ら問題は生じなかったのである。だが厄介なことに、キリギリスは(いわゆる現在の)キリギリスを表す言葉として残り、かつてキリギリスと呼ばれていたコオロギは、新たにコオロギという名称を得たからちと混乱する。
 キリギリスをあの緑の昆虫と考えれば夏。コオロギの古称としてのキリギリスなら秋。そう緩やかに考えるのが楽かもしれない。

           いつまでも食ひさしの餌ときりぎりす
                       阿波野青畝






by kanitachibana | 2021-09-04 16:17 | 俳句 | Trackback(7) | Comments(0)

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