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8月7日 讀賣新聞   

<読売歌壇>
火葬場の煙突くぐり父は逝く「おもしろかった」と手を振りながら
                     長野市 遠藤ゆりこ

教科書に腕立て伏せをさせながら詩の風にきみは眠りつづける
                   川崎市 からすまぁ

彼の吹くトランペットの上達は公園にいるみんなの願い
                東京都 富見井髙志

水道の蛇口の奥のその先の琵琶湖の魚はお元気ですか
              守口市 小杉なんぎん

放課後とう時間まぶしく傘ささぬひとりふたりが駆けてゆきたり
                  大和郡山市 大津 穂波

まな板の上でオクラを転がして夏の産毛を取り払ひたり
                千葉市 小金森まき

駅前の路上ライブに足を止め友の葬儀にわざと遅れる
                宇治市 浜岡 学


<枝折>
女の子のような気がする 遠いむかし豆を剝きつつ母は言いたり
                         永田 紅






by kanitachibana | 2023-08-16 21:27 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

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