第24回三汀賞 入選句集より その2
2024年 02月 18日
選者別入選作品より抜粋
囮まで焼かれてしまひ鮎の宿 納谷一光
ざら紙の五十五銭の書を曝す 松浦希代
思い切り振ってサイダー差し出せり 林 真悠子
パチパチと音まで甘いソーダ水 杉江希未
会う度に挨拶交わし墓参り 高橋悠仁
転校生見よう見まねのぼんおどり 岩崎美怜
げんげ田やホームベースはランドセル 川前 明
三度目の引きで尻餅草むしり 小針 眞智子
待ちぼうけビルの谷間も日永かな 斉藤 菫
煮凝や体の弱き児でありき 吉田知子
七夕や妻の襟足母に似て 原田伸介
無限なる銀河にひとつ我が命 内海将行
父だけが知らぬ告知や昼寝覚 有我 シゲ子
さよならは桜の下に埋めたんだ 赤司 さくら
病室で遠く感じる雲の峰 岡部 陽茉梨
すいえいのつづきをしてるゆめのなか 安田悠良
村芝居修羅場へ走り込む擬音 久保田 直
夏休み目がけて走る廊下かな 久能彩香
春天に似た生地探す手芸店 佐東由唯
消しゴムの白紙に戻す秋の空 小塙優菜
川の字のついてははなれる夏の夜 五十嵐 璃々亜
一人だけ盆踊りするおじいちゃん 原 宗平
いぬふぐりわたしのくつも地球色 久能和佳
手の平に蝉の鼓動を包みたり あべ 和かこ
若き日の歩幅にいどむ夏姿 宗 雅子
父祖からの棚田小昼の朴葉飯 加藤隆二
まあ上がれ座布団しいて今年米 原田尚知
帆船ゆく群青の布裁つごとく 小田 乃理子
大旱確かに流る疎水かな 山田 しげ子
マスク無し鼻へ伸ばす手癖とれず 大関 日華里
天に向け人差し指にオニヤンマ 渡邉咲希
by kanitachibana
| 2024-02-18 17:22
| 俳句
|
Trackback
|
Comments(0)