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読売歌壇 3月21日   





現役を退き十余年寄る人もなきパーティーの薄き水割り
                東京都 松井 和治




八十五のわが生日に夕餉つくる妻よさはりなくわが後をあれ
                  松戸市 関根 賢人




樫の木はからから笑ひ樟の木のくすくす笑ふ春は来にけり
                 木更津市 染谷 昇




コーヒーの缶を転がす北風に押されて歩く晩翠通り
              仙台市 岩間 啓二




 それぞれの歌に胸にぐっとくるものがあります。
 やがてはそれを実感として、肌でひしひしと感じるときが
来るんでしょうね・・・

 それでも春はやってくるんですね。変わらずに。

by kanitachibana | 2011-03-21 16:30 | 短歌 | Trackback | Comments(0)

読売俳壇 3月21日   





纜(ともづな)の張りては弛み鰆(さわら)東風
                香芝市 森 保




ことここに至る身のうへ古雛(びいな)
      由利本荘市 松山 蕗州




耕の一直線に父ありき
 福岡市 渋田千々穂




雪解けて光となれり屋根瓦
  東広島市 児山 順子
   



幼子の歯に匙ふれる春の音
   村上市 川村 雄一




万華鏡の中の孤独や春浅し
   流山市 田辺 弥生




先生に投げキッスして卒業す
    船橋市 岩瀬 孝雄




雛の間に母の客ある夕べかな
    稲城市 山口 佳紀





by kanitachibana | 2011-03-21 16:00 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

読売歌壇 3月7日   




追憶の彼方に凛と立っている咲き盛りたる山茶花と母
                     鳥栖市 高尾 政彦




餞(はなむけ)にわがしくじりも披露して遠く去りゆく若きを送る
                        さいたま市 小平 英治




夜な夜なをわれのベッドに潜り来て麻痺の右手を舐めくるる猫
                          牛久市 井上 梅太




駐車場空いていますと木の札を首にぶら下げ白梅が咲く
                      横須賀市 青木 恭子




送別会明るく果てて花束を手に過去人となりて出でゆく
                     八幡市 会田重太郎




川底の起伏を水の皺にして清くて浅い川が流れる
                  高島市 宮園佳代美




by kanitachibana | 2011-03-07 22:11 | 短歌 | Trackback | Comments(0)

読売俳壇 3月7日   





朝の日の目蓋に透けて春立てり
      千葉市 杉原 一巳

 目を閉じて感じる春は切ない思い
 も運んできてしまいます・・・



手庇にふり向かぬ子と春の鳶
       枚方市 船橋 充子

 ふり向いたら崩れてしまいそうな自分
 を子も感じているのかもしれませんね。



天井に日差しが飛んで日脚伸ぶ
         香取氏 関 沼男

 思わず光の源をきょろきょろ探してみ
 たりしそうです。



隠沼(こもりぬ)の泥しか知らぬ田螺(たにし)かな
                   埼玉県 小林 里美

 その場所しか知らぬ田螺には、それが幸か不幸かなど
 とは 考えてもみたことがないんでしょうね。ただ生れた
 所で生きるだけ。

by kanitachibana | 2011-03-07 21:54 | 俳句 | Trackback | Comments(0)