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短歌人5月号 会員1   





保育園へあす行きますと風邪の子の声とどきくる糸デンワより
                             高木律子




健全な田中ほめられひきこもる斎藤けなされあかるい3くみ
                              斎藤 寛




密告をしてゐるやうに白梅にめじょろがかほをつつこんでゐる
                               小島熱子




きさらぎの光まづしき暮れ方にわがこころひとつ手懐けてゐる
                              春野りりん




by kanitachibana | 2011-05-07 16:55 | 短歌 | Trackback | Comments(0)

短歌人5月号 会員1   





おほきくて縞のもやうの野良猫に「おほしまさーん」と母は呼びかく
                                 吉岡 馨




包丁のきざむ音しても冷蔵庫の扉をあける音しても 来ず
                             金 二順
    



諍いし過去には触れず古希過ぎし姉よりこの頃メールが届く
                              永田きよ子




亡き母にゆかりある女(ひと)ふたり来ぬ父のはにかむ雛(ひいな)の日なり
                                   越田慶子




たまさかの父の土産をよろこばぬ生意気の子でありしかわれは
                               さとうひろこ




寂しさに慣れねばならぬこれからへただひたすらに牛蒡を刻む
                                中島敦子




by kanitachibana | 2011-05-07 16:44 | 短歌 | Trackback | Comments(0)

短歌人5月号 会員2   





整然と並びたる子らの背がゆれる卒業の歌歌いきりては
                            川前 明




鬱鬱と部屋に籠もりてゐるわれに「ぽつぽが来たよ」と母は声掛く
                                 山田政代




吾は白き割烹着を着てキッチンに立てり亡夫が後ろから抱いてくれるかと
                                 竹花サラ




はなふぶき砂場に降りてままごとの椀の底ひの赤色かくす
                           佐藤あきら子




いつまでも靴下はかせてもらひたる跡取り息子 はは捨てにけり
                                 竹内光江




君からの見舞ひの花をひきよせて柩のベッドでいつしか眠る
                             佐々木幸子




by kanitachibana | 2011-05-07 15:53 | 短歌 | Trackback | Comments(0)

短歌人5月号 会員2   





病む友のふるさとからの便りには野春菊(ミヤコワスレ)と母のことなど
                                 伊東一如




戦時下の供出のがれし金仏に弾のかわりに椎の実の降る
十歳の 春よ来い とは虎杖の赤き芽立ちを待ちわびること
どんぐりを拾いし庭が気に入りて若き家族に買われたる旧宅(いえ)
幼き日お遍路宿の呼び込みは 風呂沸いてます テレビあります
                                 籠 房代




あの女の<元気ですよ>の嘘のばつ針千本が私に刺さる
                             青木みよ




恥多き生であるとも死は浄化なすと思いてもう悔やむまい
                            北山有子




by kanitachibana | 2011-05-07 15:36 | 短歌 | Trackback | Comments(0)

短歌人5月号 会員2   






子の住めるンションは裏の道路沿い我家の屋根に雪積むを言う
                                 大崎 靖葉




視点さえ変えれば人は優しくて受話器ひだりに持ちかえた日の
                               佐々木ゆか




きらきらと光かがやく雪の野の生き生きとして憎まれてみむ
                               石川普子




姫雛のほつれし髪を撫でやりて娘の幼き面影を見つ
                          井上節子




墨を打つ紙面に短かき音のして天道虫行くすごすご動く
                             下山和美

by kanitachibana | 2011-05-07 15:17 | 短歌 | Trackback | Comments(0)