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<   2014年 07月 ( 4 )   > この月の画像一覧   

神奈川新聞7月20日   

<神奈川柳壇>
いらいらの妻を逃れて散髪屋
      青葉区 菅沼葉二

<神奈川俳壇>
草笛の悲しき音色「海ゆかば」
    横浜南区 飯田艶子

虹立つと妻に電話の夕べかな
         平塚 升水昭夫

木道の歩をゆるめたり水芭蕉
       横須賀 ニ川 巌

<歌誌・句誌>
あっ狸、バス待つ吾らの目の前に道横切りて植込みに入る
                               實吉弘子

背中より歳とる友や木の芽風
              鹿糠貢

by kanitachibana | 2014-07-23 20:21 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

讀賣新聞 7月21日   

<讀賣俳壇>
海峡を夏満月のいま出づる
      下関市 野崎 薫

干拓の道どこまでも麦の秋
    北秋田市 飯坂信夫

青葉より人を汲み上げ観覧車
    大牟田市 鹿子生憲二
 井戸水は地中より汲むものだが、なるほど観覧車は地上より人を汲み上げ、また地上に吐き出しているものか。俯瞰できる目を持ちたいものだ。

白足袋の足並みそろい神輿浮く
        帯広市 箕浦慶也
 神輿を担ぐ男たちの、勇ましい掛け声までが聞こえてきそうである。

柿の花病みてひと日の長かりき
       伊万里市 田中秋子
 作者のお名前、ご住所すべてを含めて一つの作品になっているようである。

新緑の風は海から史料館
   武蔵野市 米田素子

ゆつたりと岬を揺らす夏の海
      神戸市 江藤隆郎
 青空と雲を背にした城郭を見上げていると、あたかも城が動いているような錯覚になる。これも同じ情景であろうか。いやいや、大きくしなやかに揺れているのかもしれない。

生け捕りの鮎の香気を置く厨
       西条市 一原晶吾

夏蚕飼ふを厭(いと)ひしことも遥かなり
          相模原市 大谷千恵子
 今でも時折、道端や草むらにぽつんと立っている桑の木を見ることがある。かつては居宅内に蚕室があり、蚕の桑の葉を食べる音が響いていたものである。

息子はや茅の輪の作り手の齢
        東京都 松永京子

黴かすか七銭切手の父の文
     東京都 斎木百合子

漱石の句をば肴や冷やし酒
     立川市 本橋ひでを


<讀賣歌壇>
驟雨すぎて早苗のみどりひろがれる筑紫平野を跨ぐ虹たつ
                         春日市 岡林勝芳

老いの身はあといくたびか参り得む父母の墓前にぬかづき思ふ
                            野田市 青木作郎

「オレオレ」のあと「生きてるか?」と聞く奴は俺の息子に間違いはなし
                                交野市 遠藤 昭

籠枕を抜け落ちてゆく夢のありその大方はちちははなれど
                       国分寺市 越前春生

手入れせぬ庭に十字の白い花孫たちが来る夏が始まる
                       足利市 前田佐和

白南風に産毛のそよぐ合歓の花カラスアゲハの重さに沈む
                          横浜市 守安雄介

思ふやうにならぬはこの世の常なれど湯水にさへも咽るこの頃
                           栃木市 大森由紀子
 なれど、その思いを短き文字に託せば、なんとたくさんの人の心を揺さぶることでしょう。

梅雨空を割いて光が射した時むずむずポコと咲くポーチュラカ
                          京都市 五十嵐幸助

あの遠い夏にもこんな日のありて酸っぱき酸素をわれら吸いいき
                             垂水氏 岩本秀人

君からの拍動だけで生きていると思える程につないだ手と手
                        高島市 宮園佳代美

by kanitachibana | 2014-07-21 15:35 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

よみうり文芸 7月19日   

<短歌>
メロディーに乗れずはずるるその歌に手助けの声合唱となる
                          大和市 奥秋 明

  図らずも、その場に居合わせた人々の気持ちが一つになり、一体感の感動が生まれたのでしょうね。情景が目に見えるようです。


離れ住む子らの安否を先づ問ひて富山のくすりやカバンを開く
                          茅ヶ崎市 若林禎子


<俳句>
病室に静かな梅雨入見てをりぬ
       神奈川区 永島文江

神主の船首に立ちて海開き
     金沢区 作山大祐

五六艘陸にかはくや青葉風
      大和市 土井 剛

 日頃は水に浸かって濡れている体を風に乾かしている。いやいや、現場を離れた者の寂しさか。爽涼感とも寂寥感とも言えぬものを感じる。

枇杷(びわ)もげば亡き友の手ののびしかに
          相模原市中央区 根岸研一

まくなぎを払ひて母を通しけり
       二宮町 原 新平

 「まくなぎ」は「めまとい」のことらしい。小さな蚊のような虫の群れが、やたらと目にまとわりついて来る。払っても、払っても。

天草を屋根に拡(ひろ)げて干してあり
            鶴見区 丸岡哲也

筆圧の裏まで透り梅雨に入る
相模原市中央区 三十尾維大

<川柳>
余命にも居場所をつくる草むしり
        二宮町 原田和洋

尺玉を背負えば眩し踊りの輪
 相模原市南区 内平登代子

by kanitachibana | 2014-07-19 13:38 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

神奈川新聞 7月6日   

<神奈川歌壇>
「家(うち)の子になるか」と問えばしたり顔「私の世話は大変」と孫娘(まご)
                                  二宮町 桑山俊昭

  悪女のような言葉に作者もめろめろでしょうね。ウイットに富んだ優しい息子(娘)さん夫婦に育てられていることでしょう。


生きてゐることの仕合せ十薬は灰色の空きりりと見上ぐ
                         旭区 原 整子

  その匂いから敬遠されそうな植物ですが、意外と十薬の好きな方は多いようです。媚びるでも迎合するでもない、あの立ち居に惹かれるのでしょうか。


<神奈川俳壇>
土牢の闇溢れしむ青葉木莬
      戸塚区 矢沢寿美

しばられ地蔵もみじ若葉の斑ら陽に
           金沢区 下田克洋

一すじの日矢翡翠と入れ替はる
          鎌倉 伊藤是孝

  「日矢」はどんな辞書にも載っていない。俳句に親しむ人たちだけが使う言葉らしい。わかりやすい言葉、わかりやすい表現が読む者を楽しませてくれるんだろうが、時にはこんな言葉も面白い。全体の流れの中であと一つ、この言葉がわからない。そういう時に辞書を開かせる気にさせてくれる句もまた魅力的だ。
  「日矢」は雲の切れ間から差す光の筋のことのようだ。読みもヒヤでいいのだろう。

<歌誌・句誌>
大寒の書架に動かぬ広辞苑
            山下雅子

by kanitachibana | 2014-07-12 16:32 | 俳句 | Trackback | Comments(0)