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第23回 三汀賞 入選句集より その1   

第23回 三汀賞 入選句集より 

   <一般の部>
三汀賞
 三汀忌ジュニア新書は横書きで 
           村越知枝

優秀賞
 子どもらがシーツに泳ぐ熱帯夜
           沼倉仁美

佳作
 子役まだ怨念知らぬ夏芝居
         斉藤浩美

 草笛を不思議がる子に囲まるる
          貝田ひでを


   <高校生の部>
三汀賞
 秋寒の雲はチーズの味だろう
        日下部 友奏

優秀賞
 蝙蝠をいぶり出す母鬼と化す
          佐藤 詩

佳作
 手を合わせ思いあふれる針供養
           丸山聖華

 カーテンがすけた白さの月明り
           齋藤優佳


   <中学生の部>
三汀賞
 独楽回し不安な気持ち吹きとばす
            斎藤蒔恩

優秀賞
 将来へページをめくる除夜の鐘
           樋口莉空

佳作
 ひたすらに四股を踏み込む炎天下
            青山大也

 夕立のあとの静かさみずたまり
           児玉圭佑


   <小学生の部>
三汀賞
 祖父の死をたびさきで知るなつのうみ
              三浦奏空

優秀賞
 つかまえたバッタのかおがあせってる
              伊東理玖

佳作
 ひらおよぎぼくのコーチはあまがえる
              金野智樹

 墓参りぼくの祖先はどんな人
          村山蒼空


はなかつみ賞
   <一般の部>
 梅酒びん亡き母の字の拵へ日
          須田史佳

   <高校生の部>
 菜の花や進む列車は祖母の町
          太田周吾

   <中学生の部>
 夕焼けや友の「またね」とのびる影
             須藤那奈

   <小学生の部>
 おとうとにかけてよろこぶ水でっぽう
              橋本莉玖



 
  



# by kanitachibana | 2023-04-14 00:02 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

日献四海水   

                       相模国の山の神社にある石塔である。日本の神様は寛大であり、神社内には神仏を問わず信仰の対象となるような石造物が集まっている。区画整理等で行き場を失ったものが神社に来るのであろう。
 家有壬癸神 日献四海水 と読める。十干の壬癸は五行では水を意味するので、壬癸神は水神(龍)の事だろう。水神は文字通り水を司るので、農作業に必要な恵みの雨をもたらしてくれる。また、水は火を消すということで、火伏の神としても崇められている。
 四海水は東西南北の海よりの水だが、ここではその土地より湧き出た神聖な水の意と捉える。
 つまり、「家に壬癸神(水神)有り 日々神聖な水を献ず」。我が家には水神(龍)がいらっしゃる。毎日神水を捧げている。だからどうぞ火事よりお守りください、という意であろう。

日献四海水_f0223347_18110751.jpg

# by kanitachibana | 2023-02-13 21:51 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

10月3日 讀賣新聞    



蒸す風と葉書入れればすぐ閉じる郵便ポスト夏のくちびる
                  岐阜市 後藤 進

ひと夏をかけて遠泳するように小さくなりぬ窓のあさがお
                 狭山市 古谷真利子

有明の海をグラムで再現すあさりに砂を吐かせるために
                  大阪市 toron*

もう蟬の鳴かない朝になっていた絵本のように秋が始まる
                 芦屋市 中島富美子

五十音順に並べば和田さんが最後列でぴょんぴょんしてる
                  豊中市 葉村 直

次々と洗濯物を取り込んで胸に光を集めています
             横浜市 山田 知明

緊急地震速報が鳴りテーブルの下であなたと聴く蟬の声
                東京都 奥村 真帆





# by kanitachibana | 2022-10-09 17:21 | 短歌 | Trackback | Comments(0)

10月8日 讀賣新聞 よみうり文芸   

<俳句>

柚子の花朝の厨(くりや)に声揃(そろ)ふ
           戸塚区 矢沢 寿美
 桃栗三年というが、柚子においては実がなるまで九年とも十八年とも言われる。それだけ物事の成就には時間がかかるという事である。
 掲句、そんな朝の厨に声が揃っているというのである。なんとも嬉しい光景だ。
 いろいろとあったが、ようやく息子さん夫婦とも同居することになり、こうして今はお嫁さんと一緒に仲良く台所に立っている。そんなことを想像してしまう。
 柚子の花という季語が時間の長さを思わせるし、煤けて黒くなった「黒屋」が語源と言われる「厨」にも色々と思いを寄せてしまうのは私だけではないだろう。実に味わいのある良い句である。



# by kanitachibana | 2022-10-09 16:07 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

「四季の心を選ぶ」水沼三郎 (下野新聞社)より抜選 その3   

日矢射して万籟を絶つ冬の滝
糸滝の音のもつれや秋近し
ひぐらしを鳴くだけ鳴かせ山の黙(もだ)
稲架解(はざと)かれ風につらなる宮太鼓
木の実降る後ろの闇の濃かりけり
野菊伏し天につらなる獣みち
              星野 栄子

はじかれし独楽の唸りや実朝忌
         鈴木 幸子

七草粥分といふもの噛みしめて
         森 きぬ女

はらからのなき寧(やす)けさよ木の芽和
猟名残風に樹木のかぐはしき
ざうざうと山雨(さんう)のつつむ茗荷汁
             はら ゆうこ

良きのどを醪(もろみ)に聞かす寒づくり
              籾山 明久

日も月も遊んでゆきし春の雪
花屑と言ひ美しく吹き溜る
白木蓮(はくれん)の白につまづく修道女
              長谷川理雅

観音の千手開きて東風容るる
かしこみて一茶の墓の鉦叩
山を見て今日が始まる杣焚火)(そまたきび)
               石島 朝治

うづたかき藁の燃え殻鶏合(とりあわ)せ
書き込みの多き古書なり新松子(ちぢり)
蛇笏忌の硯を走る水の玉
              田村 三合

老鶯(ろうおう)の飽かず鳴きをり飽かず聞く
初日あく菊人形の花硬き
                板橋 糸子

一歩出て命確かむ蟇(ひきがえる)
           佐藤 利夫

一花剪る百のつるばらはづませて
         たけいきみこ





# by kanitachibana | 2022-09-18 19:29 | 俳句 | Trackback | Comments(0)